新作

昨日の夜、
道端でおばちゃんが倒れてる、と
脂美から呼び出し食らいまして。
「とりあえず叩き起こして安否確認、必要なら救急車手配しとけ」
って指示して、
行ってみてまあびっくり。


血まみれのおばちゃんが転がってる。


寒いせいか、その他の理由のせいか、
顔真っ白。
俺が着いた時は目を覚ましてたんだけど、
目がなんか棄てられた養殖魚みたいに虚ろで。
すげえ嫌な予感するんだけど、
とりあえずコンタクトを図ってみる。


俺「おばちゃん、大丈夫?」
婆「はいィ!?」


……叫ばれた。


俺「めっちゃ血ィ出てるやん。救急車呼ぶか?」
婆「ボクサー」


……ヤバい。分からん。


俺「何、ボクサーに殴られたん?」
婆「はいィ!?」


コンタクトは諦める。


とりあえずティッシュ押し付けてまだ出てる鼻血を拭かせ、
意味不明だけどとにかく喋らせて
それらを取捨選択してダヴィンチコードばりにひも解いて、
ただの酔っ払いだということを突き止め、
家が近所だと言うので無理矢理立たせて帰らせた。
腕掴まれそうになった時に
服汚れるのが嫌でさりげなく避けてしまったのは
善意をはぎ取った俺の本音。


で、まあ俺も帰るんですが、
帰り道で「しまった!」と。
血まみれ、虚ろな目、道端に倒れるおばちゃん。
「……写真撮れば良かった」
脂がカメラ持ってるっつうので
急いで引き返すも、
おばちゃん良い具合にふらふら帰路。
もう倒れそうにない。
ちぇ。


で、本題な。


以前からたびたび名前を出してる、
現在執筆中のE2。
こいつの名前が決まりました。
このさき変わる可能性もあるけども、
昨日のミーティングでほぼ確定させられたんで。
ECLIPSE2改め、


R-09
DEADLY FEATHERS
『沈黙の糸、昏き優しさに嘲りと餞』


仮名振っとくと、
「ちんもくのいと、くらきやさしさにあざけりとはなむけ」。
一目で話の内容がはっきり分かる素晴らしいタイトルですね。
どうでもいいけど
FEATHERS、DEADLY FEATHERS通して十冊目にして、
初めての日本語表記です。
思えば俺が日本語タイトルつけたのって、
一番最初に描いて賞に出して
「読者を拒絶している」って評論貰って余裕で落とされた
『臙脂の花』だけだなあ。


そういや何で文学作品って横文字使わねえの?
英語タイトルでもカタカナで書くよね。
なんか決まりでもあんのかね。
それがセオリーなだけってんなら、
やっぱ文学ってつまんねえな。
まーいいや。


内容に関しましてはまだ発表できねーですが、
不快感あまりある、
「読者を拒絶する」のではなくて
「読者に拒絶される」内容の小説となっております。
昨日のミーティングで脂に二時間かけて主題と展開を語ったら、
最後には落ち込んでました。
ざまーみやがれ。


ということで、
新刊できたらみんな買ってね。


ritsuka