風っぽい


今まで家に彼女がいて、
その彼女が実家に帰ったため
エロDVDを借りたいと後輩が言ってきたので、
tsutayaまでバイク出したついでに
俺も観たかったやつを何も考えんと
片っ端からカゴにブチ込んでたら
レジに行って
「おひとり様十枚までです……」
と言われて
我に返って数えてみたらカゴの中には
18枚入ってて
三泊四日でどうやって観るんだよって
後輩が馬鹿にしてきたので、
一時間半もエロコーナーにいた挙句に
爆乳ヤンキース」だの「母娘つまみ食い」だの
マニアックなのを三泊四日で五枚借りてるやつに
言われたくねえよって言い返して、
そのまま遊びに行く流れになったんですが、
「その前にちょっと一回抜きに帰っていいですか」
とか言われて
仕方ないのでちょっと部屋に帰ってのんびりしてたら
わずか十五分後に
「(待ち合わせ場所に)もう来てます?」
と電話があり、
そんなこんなで車に乗ってフラフラしながら
道端で停めて缶ヒー飲みながらシガレット、
VANITASって絵画の話から
救いのない死と壁一枚の隔絶、
その温かさと優しさと美しさに
この国のエンターテインメントは拒絶的であること、
またそれらを体験なしに語ることの難しさと
あくまで物語は事実ではないこと、
それでも感動を呼ぶ物語とはってなって、
そいつの趣味漫画好きだから
スラムダンクドラゴンボールワンピースを例に
空白の描かれ方から考察し、
なんでそんな考え方ができるのかってな質問に
そりゃあ馬術やってたころの師匠のおかげってなって、
その深さの現実生活においての無用性を笑い、
またそれらをこうして言語化することで
全く別のものに変質している現実がどうこう、
それでも同じものに収斂する達人の文章、
そんなことを一方的に語りまくってたら
いつもはベラベラ口の止まらん後輩が
ほとんど喋らんようになって、
最後にポツンと
「まあ俺今すげーって思ってますけど
明日からも今までと変わりなく過ごすんでしょうね」
って言われて
「そりゃそうだろ、必要ないから」
って返して笑いながら帰りましたが、










ずっと冷えてたせいか
なんか風邪っぽい。