知らざる事実


見事すぎて。
この後味の悪さが最高。








パク・ヌチャク監督、
オールド・ボーイ』。
けっこー前の作品ではありますが、
俺が韓国映画に興味持ったのを知って
先輩が貸してくれたのでございます。








ちなみにこちら原作は日本のもの、
『ルーズ戦記オールドボーイ』。
土屋ガロン原作の嶺岸信明作画の漫画。
これはぜひとも原作も読まねばならんので
店が開きましたら早速ブックオフりますとして、
知らぬが仏ってことは多分にあるねって話。







例えばあなたにとっても素敵な恋人ができました。
交際は順風満帆で結婚まで辿り着き、
やがて家庭を持って子供もすくすく成長して、
どっから見ても幸福そのもの。
このまま平穏な生活が続くと
疑いもしなかったそんなある日。







実はその恋人は地球征服をもくろむエイリアンで、
深夜にエイリアン軍本隊と交信しているところを
目撃してしまう。
そこで恋人は本隊にこう語る。
「私は地球人を愛してしまった。
どうか地球を攻めるのを止めてくれないか」
そのひよった発言に
本隊の隊長ゲネブ(仮名)はブチ切れ、
恋人を破門にしたばかりか
明日にでも地球人を皆殺しにすることを宣言。
こりゃ大変だ!







はい、
そこであなたはこう思います。








「宇宙人と交尾しちまったよ!」









もともと右寄りな思考の持ち主だったあんたは
異種族と交わってしまったという事実を抹消しようと
その場で愛していた筈の恋人を灰皿で撲殺。
けれども一応その恋人は見た目人間、
地球人としての戸籍とか持ってますので
当然しょっぴかれます。
「エイリアンが攻めてくるんだ!」
とか叫んでも
そりゃあキチガイ扱いが妥当というもの。
そんでもって一方ではゲネブ隊長が
家の鍵閉め忘れてきたことに気付いて
本隊ごと引き返すことになり、
さらに家に帰ってみたら見事に空き巣やられてて
もう他所の星攻めるどころじゃなくなってしまい、
結局地球は今日も平和でした。
そしてコイツは外に出したら危ねえってことで、
獄中であなたは生涯を終えることになります。








鉄格子の向こうの空を見ながら思うのは
残してきた子供のこと。
エイリアンとの愛の子ではありますが
赤んぼのころから育ててきたら
愛着もあるってモンです。
あの子は今どうしているだろうか……









で、
その地球人とエイリアンとの混血は
サイヤ人よろしく子供ながらに
戦闘力がえらいことになっていまして、
親エイリアンという抑止力を失って
本来の凶暴さを発現。
クラスメイトを皆殺しにして
その死肉を漁っているところを
自衛隊に射殺されていました、と。








残念無念コケコッコ。
恋人がエイリアンであるという事実を知らなければ、
あのまま幸せな日々が続いていたのにね。
ばーかばーか。








……何の話だっけ。









まあいいや、
とにかくすごい良い映画でした。