想像力

想像力の無さを痛感する。
あるいはあれほど自分で嫌っておきながら、
いつの間にか出来ている固定観念
世界は無限に広がっているのに、
その世界の一部分を切り取って
自分『なりの』世界に安住していること。
忌むべき現状。
いつからそんな狭苦しい考え方をするようになったのか。
情けなくなり、悲しくなる。






思い知らされた原因というのが、
今日もまた深夜の徘徊に出かけたわけだが、
そこで見たある光景だ。





山の獣じゃないが、
徘徊コースみたいなのがある。
んで一時間前の朝五時ごろ
ちょうど明るくなり始めたころに
人通りが多いことはないが、
ぼちぼち出勤する人がちらほら姿を見せ始める
見通しの良い少し広めの道に行き着く。
両側には民家とアパート。
早朝の心地よい静寂。
些細な音でもよく響く。





そこで、
カチャカチャという音を聞いた。
ズボンを脱ぐときに
ベルトのバックルが立てるような音。
ふと見ると、
アパートの階段の影に
一人の男性が座りこんでいる。





目が合った。
チンピラみたいな刈り込み頭のオッサンだ。
攻撃的な目をしているのだが、
その攻撃性が真っ直ぐ向かってこない。
なんというか戸惑っている感じだ。
犯罪慣れしていないガキが
現場を見つかった時に見せるあの目である。





ここで考えた。
ベルトの音とウンコ座り。
アパートの影でウンコしてると
間違われてもおかしくない犯罪目のオッサン。






……関わってロクなことはない。
なんか遊びに出かける前の着替えとか
靴紐結んでるとかだろとかにして
颯爽と知らん顔して去った。






……のだが、
そのあとどうしても気になって、
巻き込まれたら巻き込まれたで
久しぶりにネタになるからいいかと思い、
すぐに引き返した俺。





しかしすでにオッサンの姿は無く、
かわりに俺が目にしたもの。






ウンコがこんもり湯気たててた。







……人目につく道端でまさか
ウンコしてるオッサンがいるとは思わなかった、
そんな自分の閉塞的思考に絶望した春の朝。






残念ながらケータイ持ってってなかったので
画像はありません。
深夜徘徊はちょくちょくこういう
イベントが発生するのでオススメです。
とりあえず気になるのは、






オッサン、ちゃんと拭いたのかな……。