ひとりごと

ウチの仕事場には独り言を言うのが多い。
んでこないだなんか一室に俺含む四人いて、
俺除く三人が
「あーここはこーなってんのかー」
「えーっと明日のスケジュールは」
「あははこんなん分かるわけねえっての」
みたいな感じで。
……いやマジでこんなん言うんだって。
このときの狂気じみた空間で一人俺、
さすがに吹き出さずにはいられなかったんですが。





独り言の定義ってのもたぶん
人によって違うんでしょうが。
ほら挨拶なんかでも
対象を捉えていない挨拶っていっぱいあるよね。
学生さんなら職員室に入る時
「失礼しまーす」
なんてことを言うでしょうが、
そのとき
誰に対してどんな失礼をするのかってのが
明確に把握できている学生さんって
割と少ないと思うんですね。
それはつまり対象が捉えきれてないってことで
俺ん中では独り言にカテゴライズされる。
さらに言うなら面と向かっていても
その言葉と意識が
相手との正面きっての向かい合いを成立させてなけりゃ
たとえ会話っぽい現象がそこにあっても
それは互いに独り言を言ってるだけってことになる。
それを言い出すとまあ
世の中たいていの人が独り言しか言ってねえってことになりますが。
とりあえずそれは置いておこう。
独り言四人の地獄空間に話を戻す。





でーさ。
この独り言言う人の気持ちが良く分かんないというか。





いや俺も部屋では、
ゲームでぼろ負けして
苛立ち喚きながらコントローラを破壊して
ああまた新しいの買わなきゃ……って涙することは
よくありました。





いやでもそれはいーじゃん別に。
誰もいない部屋ん中だろ。
でもさ、
他の人間がいる場所で
独り言を「つい声がでちゃった」みたいなんじゃなく
べらべらべらべらべらべらべらべら
そりゃもう「こっちに話しかけてんのか?」
ってくらいの声量で言うってのはさ。
あまりに同席してるヤツを舐めてんじゃねえのかと。
地獄空間の話だと、
同席してる三人を居ても居なくても一緒
そのへんの机や椅子とおんなじ『モノ』ですとばかりに
くっちゃべってるわけですよね。
失礼だと思いません?
うるせーと思いません?
違うの?
ちげーよ馬鹿って人がいたら
ぜひヤツらの心理を解説していただきたい。






……もしくはですね、
突っ込み待ちって言うんですかね。
誰かとメシ食いに行きたい。
→でも直接誘う勇気がない。
チョウチンアンコウみたく独り言ぶらさげ
誰かの反応を待つ。
「あーメシ食いに行きて―なあッ!!!」
こんな感じのはよく聞きます。
九割九分シカトしますが。






まー何を熱くなってんねんって話ですが、
このブログやら俺はやってないけどツウィッターとかな。
そういう側面がありますよねーってことを思ったの。





このブログについては
EYES OF THE MARKの連絡事項ならびに作品に関わる内容
ってことでannounceとして書きはじめたはずが、
作品の傾向解説を経て
なんか俺の日記みたくなってしまっております。
けども一応すべて作品とのコネクトがある内容なんで
(そーじゃないのもあるけど)
あとがきの変質バージョンというか
とちゅうがきくらいな感じで、
誰かが「馬鹿がおる」くらいに思ってくれたらいい
てな気持ちで書き続けております。
ツウィッターについては
アカウントこそ持ってるんですが、
そりゃ好きなアーティストとかショップのスタッフさんとかの
コメントや情報を得たいからってことで、
フォローばっかしててつぶやいたことは一度もない。





でな、
ツウィッターに関して思うのは、
みなさまどれくらい読む人のことを考えてんのかな、
と。
読んでる感じだとブログより独り言に近い。
しかしながらアーティストとかが呟く場合
もしくはフォロワーがいっぱいいる方とかの場合、
コメントが対象をより明確に捉えている傾向がある。
もちろんそれには受け手の主観も多分にあるんでしょうが、
まったく知らん芸能人のつぶやきを見ててもそう感じるから
傾向としては間違ってはいないでしょう。






逆に例えば突然脈絡も無しに
「マジむかつく」
とか誰かに何かを伝える気もへったくれもない
つぶやきがあったりするんですが、
これがね、
俺が仕事場で聞く独り言と全く一致するんですわ。
他人の目にとまる場に晒す意味が分からんのです。





まー何となくね。
自分の中に生まれた衝動を
言葉という形にしてツールに載せることで対象を得て、
無意識に何らかの精神的安定を求めてる
んじゃないかなーとは思うんですが。
愚痴とか陰口とかと一緒でな。





ほら、
何で愚痴を言うかっていうと
胸の内の不満を誰かに向かって吐きだして、
「そうだね」
って肯定してもらうことで
否定されてた自分の価値を再確認する作業でしょ?
だってそうじゃなかったら
いちいち愚痴って時間無駄にする前に
その不満をもたらすため現状を打破するために
自分の正当性に基づいて行動してる筈だもんね。
それとも愚痴は自分の考えを言葉にして
まとめる作業なのでしょうか。
そんな愚痴は聞いたことないし
そもそもそりゃあ愚痴じゃないですが。






それと似たようなもんじゃないのかね独り言なんて。
吐きだして言葉を結び誰かの耳に届くってことが
「そうだね」の代わりになってるんでしょ?
要は自分だけ満足を得る公然自慰行為でしょ?
んでツウィッターのワケ分からんつぶやきの場合は
ツールに載るってことが
「そうだね」の代わりになってるんでしょ?
ちげーよ馬鹿って人がいたら
ぜひヤツらの心理を解説していただきたい。
ツウィッターならね、
見ないってことで万事オーケーなんですが、
……うざったいんだ仕事場の独り言が。








あーいやでも待てよ。
ツウィッターの例で挙げた
「マジむかつく」
は、
その状況を伺い知れる者だけが共感できる
コミュニティを形成しようとしているのかもしれん。
「分かるヤツだけ分かればいい」
つまり読者の拒絶的選別だ。
それはそれでRockだな。
とすれば独り言にも何らかのRockな側面があるのか?
ならば一概にウザいと切り捨ててはならん。
いったい何が……






……





……まあいいや、
うるせーもんはうるせーし。