For a Dream

「世の中甘くない」
んなこた言われるまでもなく分かってる。
力がなけりゃ喰い殺されるのが当然。
力がなくても生き残るってのなら
そりゃあ住んでる環境が良いってだけの話。






子猫の死体を見たことがあるか?
道端でハラワタばらまいて
ゴミ袋に詰められて燃えるゴミに出される子猫だよ。
人間は例外だと思う?
人間はそれを笑うことができるんだ。
飢えて毒草をかじる人間を嘲笑することができるんだ。
それを飾り立ててドラマに仕立てて
メシの種にすることができるんだ。
確かに例外だろうさ。
ただし、
アンタが思ってるのとは逆の意味でな。







怖がりながらも頑張って歯を食いしばって
小さな一歩を踏み出そうとしている人間を、
金と権力をもってるだけの人間が
ガキより浅い思考のもとに踏み躙った。
暖房の効いた部屋の高級な椅子に座って
見るのは目の前の涙じゃなくて統計グラフだった。
それが間違いだなんて思わない。
それが社会ってもんだ。
それが組織ってもんだ。
嫌なら孤島で自給自足でもしてりゃいい。
愚痴を言ってる暇があるなら
さっさと未開の土地探して開墾しに行けよ。
多くの人が戦い続ける。
多くの人が諦める。
多くの人がしがみつく。
多くの人が自ら命を絶つ。
多くの人が救われる。
多くの人が救われない。
それだけのことさ。
だから言ってるだろ、
言われるまでもなく分かってんだよ。







人間。







それを嫌だと思ったところで
救うことなんてできやしない。
見せかけだけで救ったところで
足下には今も欲が舌なめずりしてる。
せめてもの祈りは誰に向けて?
Fuck'n Christ.
引き裂かれる心を前に手を合わせてるアンタ、
そりゃいったい何のお遊戯ですか?








祈りにすら価値を見失い
腹ん中で蠢く思い上がりの同情と後悔。
まだ動く足を動かせないのなら
もう俺に意味はない。
差し出せる手を動かせないのなら
もう何も書くことはできない。








笑え。








……さてさて。
不特定多数が相手の慈善事業、
そんな話の会議ができるような
善人でも悪人でも
ましてや聖人でもない馬鹿ですけども。
馬鹿は馬鹿らしく
いっちょゴミ溜め這いずり廻ってみたほうが
笑い話にはなりますよね。