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映画に詳しい知人に
俺の好きな映画を列挙したところ
お勧めされた映画、


殺人の追憶
『チェイサー』


を二連発で観てみる。









いずれも韓国の作品ですが、
いずれも血なまぐさいお話で、
いずれもハッピーエンドはございません。








はい、
確かにこーゆーの








好きです。









いや、
とは言ってもね?
別に血なまぐさいのが好きなわけじゃなく、
むしろ安易な暴力描写ってのは
あんまりよろしくないのではと
ファニーゲーム』を観たあたりから
思っている今日この頃。
実際この二作品は
あんまり恐ろしいわけでもなく、
観た後に気分が沈みもしなかった。








それこそ以前紹介した
『リチャードニクソン暗殺を企てた男』、
それに
モンスターの居ないホラー映画にしたかった
と監督が言った通りの出来栄えで、
先輩に無理矢理観せたら
「夢に出てきたぞコンチクショー」
と苦情をいただいた
レクイエムフォードリーム
あたりと比べると、
どーも感想が
「面白かった」
で終わってしまいます。
いざ振り返ってみれば
こちらも以前紹介した
『悪魔を見た』
に関しても当てはまる。








それが何かを考えたときに、
作品の土台としてあるものが
違うからなのではないか
という推論に辿り着きました。







すなわち
エンターテインメント
という土台。
その上にテーマだの展開構成だのが
構築されている。
血なまぐさい暴力表現にしても
あくまで「愉しむ」ための描写であり、
実際の暴力とはかなりのズレがあります。
実話をもとにしてるとはいえ。








撮り方も良いし音楽も良いし
それこそ物語としてのいろはが
きちんと踏襲されていますので、
間違いなく面白いんです。
が、
それらが枠となり
物語の爆発力を抑えつけてしまっている
……んじゃないかってな。








例えば松田優作さん主演の
野獣死すべし
とかメチャメチャ好きなんだけど、
あれは優作さんの狂気が
そーゆー枠を突き抜けちゃってるからなのね。
んで
先にあげたリチャード&レクイエムは
「面白い」って感想がでないし土台が違う。
大多数に受け入れられようって気が
微塵も感じられんのです。
でも
とりあえず紹介した限りでの韓国映画には
それを感じちゃうんだよね。







いや
それはそれで全然良いし
作品として完成してるから凄いことなんですけれども。







今回見た二作品、
いずれも素晴らしい映画。
でも……









なんか物足りない。
そう思っちゃってる俺は
作品に込められているメッセージを読みとる能力がないのか、
それともちったあ感受性が磨かれているのか。
まー
また他の映画たくさん観たあとに
もっかい見たら何か気付くこともあるでしょう。